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この記事を書いたのは
Miku
日本語教師養成課程で資格を取得し、日本語の指導歴は7年目。
学生時代はイギリスへの交換留学の経験もあり、卒業後は日本語教師として働きながら、フランスでワーキングホリデー留学と語学留学を経験。
現在はマルタ島在住で主にフリーランスで活動する傍ら、「日本語教師ナビ」のライターを務める。
「日本語教師は激務だと聞くけれど、自分にできるか不安」
このように悩んでいる方が、いるかもしれません。
今回は、日本語教師に興味はあるけれど、仕事内容に不安を感じている方に向けて、日本語教師歴7年目の私が、日本語教師の仕事内容とやりがいについて解説します。
結論は、日本語教師は常勤講師として働くと、日本語の授業以外にも、学校運営に関わる業務も行わなければならず、忙しくなってはしまうものの、学習者の成長を1番近くで感じられるので、大きな達成感を味わうことができます。
日本語教師とは、日本語を母国語としない外国人や、海外で生活しているために日本語力が十分ではない日本人に、日本語を教える職業です。
日本語の文法をはじめ、発音・読み書き・会話など、さまざまな分野の授業を担当するので、日本語教育全般の専門的な知識や、教授スキルが求められます。
また、日本語以外にも、日本文化・歴史・習慣・マナー・価値観・流行の音楽やドラマなどのサブカルチャーについて、正しい情報を教えていくことも、仕事の1つです。
このように、幅広い知識とスキルが求められる日本語教師ですが、現時点では国家資格は存在せず、無資格でも日本語を教えることができます。
ただし、国内の法務省告示の日本語学校で働く場合には、民間資格を取得する必要があります。
日本語教師に必要な資格については、『日本語教師になるには?』で詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてください。
日本語教師の雇用形態は、大きく分けると、常勤講師と非常勤講師の2つがあります。
以下では、それぞれの雇用形態について詳しく解説していきます。
常勤講師は、フルタイムで働く教師のことで、一般企業に勤める正社員のように、週5日・1日8時間勤務となっています。
給料は月給制となっているため、収入が安定することが大きなメリットです。
一方で、常勤講師は授業以外の業務も行わなければならず、学校運営に関わる事務作業や、留学生への進路指導など、仕事は多岐にわたるので、忙しくなりやすいです。
Miku:
私は以前、タイにある日本語学校で常勤講師として働いていましたが、アルバイト講師の代講、学校が主催するイベントの企画・運営なども行っていたため、毎日仕事に追われていました。
非常勤講師は、パートタイムで働く教師を指し、担当した授業分の給料が時給で支払われます。
常勤講師とは異なり、週3日だけ、午前中だけというように、自由にスケジュール調整ができるので、他の仕事を掛け持ちすることも可能です。
しかしながら、担当する授業のコマ数を増やさなければ稼げないので、収入が不安定になりやすいです。
Miku:
実際に、私も非常勤講師として働いてからは収入が不安定になりましたが、その分新しい仕事に挑戦したことでスキルを身につけられ、今までとは違う収入源を持つことができました。
最近では、フリーランスという新しい働き方をする日本語教師も増えています。
フリーランス日本語教師とは、常勤講師のように特定の教育機関に所属して働くのではなく、個人で独立して仕事をする教師です。
非常勤講師を掛け持ちしている教師もいれば、私のように自分で集客して授業を行う教師もいます。 働き方も収入も人それぞれで、自由度が高く、自分が理想とするライフスタイルを実現しやすいです。
フリーランス日本語教師についての詳細は、こちらの記事『フリーランスの日本語教師ってどう?』で解説しています。
日本語教師は、常勤講師と非常勤講師のどちらの雇用形態を選ぶかで、仕事内容が大きく異なります。
非常勤講師は日本語の授業に関連する仕事が中心となりますが、常勤講師は授業以外の業務も多く、責任も大きいです。
場合によっては、非常勤講師のサポートもしなければならないので、「日本語を教える」という仕事に集中できないことも、しばしばあります。
それでも、福利厚生が充実しているため、多くの日本語教師は常勤講師として働くことを目指します。
それでは、日本語教師の主な仕事内容について、詳しく見ていきましょう。
日本語教師として学習者へ質の高い授業を提供するために、授業の準備は欠かせません。
授業準備に関する仕事は、主に以下のようなものがあります。
この中でもメインの仕事となるのが教案作成で、文法・語彙・読解など、授業で教える内容について、事前に調べておく必要がありますが、新人の教師だと、特に文法の授業は、準備に長い時間がかかります。
また、教材に関しては、働く学校の方針に従って、共有教材などを使用したり、教師が作成した絵カードやプリントを使ったりします。
授業の準備が整ったら、学校のカリキュラムに沿って、日本語の授業を行います。
授業を実施する際の具体的な仕事内容は、主に以下の通りです。
学習者によって日本語レベルや学習目的は異なりますが、個別授業の場合は、一人ひとりに合わせた授業を、集団授業の場合は、学習者全員が満足できるように、授業内容をうまく調整する必要があります。
その他には、以下のような授業に関連する仕事全般も行わなければなりません。
カリキュラム管理は、教務主任の他、常勤講師が担当する場合もあります。
また、日本の大学や専門学校を目指している学習者の進路相談にのったり、就活のアドバイスをしたりすることも、日本語教師の重要な仕事で、基本的には常勤講師に任せられます。
必要に応じて、大学入試や就職試験の面接練習も行います。
日本語学校の運営業務に関わる仕事は、主に常勤講師が行います。
具体的には、以下のような仕事があります。
事務作業に関しては、基本的に事務職員が担当しますが、学習者の欠席・非常勤講師の欠勤・コースの変更などがあった場合には、日本語教師が対応しなければならないこともあります。
その他には、新規の学習者獲得に向けて、WEBサイトやSNSを更新したり、国際交流イベントに参加したりして、営業活動をすることもあります。
留学生への生活サポート業務は、国内の日本語学校で発生する仕事ですが、こちらも主に常勤講師が担当します。
仕事内容は、主に以下の通りです。
国内の日本語学校で勉強している外国人学習者は、進学や就職を目的として留学しているケースが大半で、慣れない土地に来て生活面での悩みを抱えていることがよくあります。
そんな学習者にとって日本語教師は、信頼できる日本人で、自分のよき理解者であるため、頼りにされる場面は多いです。
日本語教師が日本の考え方などを教えながら、適切にアドバイスをすることで、学習者は日本での生活がしやすくなります。
こちらでは、日本語教師として働ける場所を国内・海外・オンラインに分けて、ご紹介します。
国内外問わず、日本語を学ぶ外国人は年々増加していることから、日本語教師の求人も増えています。
日本国内で日本語教師として働くには、以下のような場所があります。
基本的に日本語教師は、留学生などの在留外国人を対象とした日本語の授業を担当します。
支援団体やボランティア団体で働く場合は、無給となることもあります。
海外で日本語教師として働く場合には、以下のような働き先があります。
全世界の日本語学習者のうちの約8割はアジア圏出身者となっているため、アジア地域だと求人が多く、仕事が決まりやすいです。(国際交流基金「2021年度海外日本語教育機関調査結果概要」)
また、日本語教師が不足している国では、常勤講師として採用されるケースがほとんどです。
オンラインという授業形態は、コロナ禍をきっかけに広く普及しました。
授業を行う場所や時間を自由に決められるので、学習者だけではなく、日本語教師にとってもメリットがたくさんあります。
最近では、オンライン授業を積極的に取り入れる学校も増加しており、リモートで働ける日本語教師の需要は高まっています。
非常勤講師との掛け持ちもしやすいので、フリーランスを目指している方は、選択肢として考えてもいいかもしれません。
最後に、日本語教師という職業のやりがいを、私の体験談も交えながら、ご紹介します。
日本語教師という仕事の魅力の1つとして、世界中の学習者と異文化交流ができるという点があげられます。 割合的にはアジア圏の学習者が多いですが、聞いたことのない国から来た学習者に出会うこともあります。
Miku:
私自身も、今までの教師経験の中で、アジア・ヨーロッパ・アフリカなど、さまざまな国の学習者へ日本語を教える機会がありました。
彼らは母国の文化や習慣について色々と教えてくれるので、こちらが学ぶことも多くあり、日本と各国をつなぐ仕事をしていることに、やりがいを感じます。
ひらがなさえ分からなかった学習者が、努力をして成長していく姿を1番近くで見守ることができるのは、日本語教師です。
日本語の知識が全くない学習者へ1から指導していくことは、とても難しく、個々人に合った指導法や教材を選ぶだけでも、試行錯誤を繰り返さなければなりません。
しかし、地道な努力を重ねるうちに、学習者が日本語を使えるようになってくると、感慨深い気持ちになります。
Miku:
私が教えた学習者の1人も、ひらがなの読み書きからスタートしましたが、私との二人三脚で学習を進めるうちに、少しずつ話せるようになり、指導を始めてから2年後に日本の大学へ合格しました。
合格の報告をもらった時は、自分のことのように嬉しく、大きな達成感を感じました。
日本語教師として学習者に日本の文化や習慣などについて教えていると、日本の魅力を再発見できることがあります。
学習者から、「どうしてそのような習慣があるの?」「由来は?」などと質問を受けると、日本のあらゆる物事について、深く考えるきっかけにもなります。
例えば、お正月のおせち料理について指導する際に、普段何気なく食べていたおせち料理の1つ1つの意味を細かく調べて、改めて理解すると、ユネスコ無形文化遺産にも登録された日本食文化の奥深さを感じました。
今回は、日本語教師の仕事内容と教師としてのやりがいを、私の体験談もご紹介しながら、お伝えしました。
常勤講師として働くと、授業以外にもしなければならない業務が多く、責任もありますが、その分やりがいもたくさんあります。
自分が教えた学習者が試験に合格したり、日本への留学を成し遂げたりした時には、大きな達成感を味わうこともできます。
日本語教師の仕事と、プライベートの自由な時間を両立させたい場合は、非常勤講師や他の仕事を掛け持ちしながら、フリーランスとして働く方法もおすすめです。
これから日本語教師を目指す方は、自分にどのような働き方が合っているのかを考えて、資格取得に向けて行動してみてください。
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