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4月から日本語教師養成講座を受講中の島津さん(仮名)に、講座で学ぶ内容や学校生活などのお話を伺う、養成講座体験記の第4回。養成講座でどんなことを学べるのか、学校の様子がどんなものなのか、日本語教師養成講座の体験談を密着取材していきます。
日本語教育能力検定試験を終えた今、試験を振り返り、効果的な試験対策を聞いてみます。これから受験を検討されている方にも耳寄りな情報です!
日本語教師に興味があるという方必見の体験記です。
> > 第5回 第5回 日本語教師の就職活動とは?開始時期と方法
島津 綾さん
日本語教師を志す、20代前半の女性。
現在は東京近郊にひとり暮らし。
仕事をしながら資格取得を目指すため、土曜日コースを選択。1年かけて修了を目指す。好きなものは歴史。
編集部(以下、編集): さて、前回の対談のときは検定試験の前でしたね。今では試験も終わりましたが、学校の方はどうですか?
島津さん(以下、島津):
9月から10月にはどんなことがあったかなってわたしも考えてみたんですが、大きなものだと、学校の定期試験、日本語教育能力検定試験がありましたね。あとは、学校の授業の方も実習が本格的に始まりました。
それから、この間面白い授業があったのでぜひ紹介したいな、と思って!わたしの学校だけの取り組みかはわからないんですが、全く知らない言語を直説法で教えられる、という授業。
普段は自分がどうやって教えようって考えてる立場なので、自分が生徒の立場になってみるっていうのはとても新鮮な体験でした。先生が何を話しているか全然わからないという状況なので、すごく頭を使って疲れるんですが、いやな疲れじゃなくて。新しいことを学んでるっていう楽しさもあって充実した時間でした。
どんな授業かというと、先生が教室に入ってきて、知らない言葉を何回も繰り返すんですね。こう手を上げながら「◯◯!」って同じ言葉を。それで、これはどういう意味だろう?これは挨拶なのかな?「こんにちは」かな?って考えながら、自分も同じ言葉を返したら先生が褒めてくれる。それから先生が自分の名札を指さしながら話しているので、その言葉をマネして自分の名前を言ってみると、「おー!(拍手)」って。それで、「あ、理解が合ってるんだ!」って嬉しくなりました。その授業がすごい楽しかったです。
編集:
なるほど。逆の立場だと、見方も変わりますよね。
日本語教育能力検定試験については後ほどお伺いするとして、実習の話、気になりますね。
島津:
はい、10月の初めに、4〜5人で1班という実習グループが発表されました。そのグループで教案を作成して、教壇にも2回立てるんですよ。
1回目は、模擬教壇。1回だけ先生に教案を添削してもらうことができるんですけど、あとはグループメンバーで教案を作り上げて教壇に立ってみるっていうもの。
2回目は、教壇実習といって本当に先生として教壇に立ち、生徒に教えるという本番の教壇。模擬と教壇実習のどちらも、生徒は本当に日本語を学習している外国人の生徒のみなさんです。
模擬は、教案は1回しか添削してもらえないですが、教壇実習は先生に何回も見てもらった上で実際に授業を行います。
編集: 教案づくりはもう始まってますか?グループごとの活動は順調ですか?
島津:
グループごとに教案の課題は違っていて、100分の持ち時間をどう使うか、どういう風に教えるかとか、時間配分とかも任されているんですよ。わたし達のグループは全員が発表できるように工夫しました。
それから、わたしのグループは30代〜60代の方がそれぞれいらして、みなさん仕事や家庭で忙しい方たちなので、無理しないようにスケジュールを組んでいきましょうって最初に決めました。
この間授業の後に残って課題の作業をしてたんですけど、別のグループも残ってたんですよ。そのグループは、リーダーのような存在がいなくて、「どうしよう〜誰がつくるの〜」って、決まらなくて(笑)。グループによっていろいろだなぁと思いました。
模擬は、12月あたま。まだ余裕があると思っていても、各教案の提出日が細かく決められているので、意外と忙しいんですよね。
編集: 実習の方も佳境ですね。課題も増えて大変そうですが、他のクラスメイトの様子はどうですか?
島津:
土曜クラスの人たちは、仕事なり学業なり別のことをしながら受講している人が多いんですが、学校の実習が本格化していて、実習の準備や課題など学校の勉強だけでも大変になってきているんですよね。
そこへきて、日本語教育能力検定試験の勉強も重なって、メンタル的に追いやられている人も大分いました。クラス内では、最終的に検定試験は受けないという選択をする人もいましたね。
編集: それは残念ですね。
島津:
既に日本語教師として働いている人とか、社会人経験が何年かあって貯金をしている人とかを中心に熱心に勉強してる人たちもいるんですよ。
実習もいよいよ大詰めで、とうとう念願の教壇に立つことができるので、今はそれをモチベーションに頑張って勉強している人たちも結構いますね。今年就職諦めちゃった人でも、実習の経験て貴重だし、初めて教壇に立てる体験なので。
編集: なるほど。厳しい状況の一方で、教育実習は足掛かりとして希望になってるんですね。
編集:
さて、それでは本題の平成29年度日本語教育能力検定試験の様子を教えてください!
今年は大荒れな天候の中、受験となりましたね。大丈夫でしたか?
島津:
そういえば試験会場は空いている席が目立っていました。台風の影響もあってやっぱやめたって人も多かったのかもしれませんね。
寒暖差も激しいから体調崩しちゃった人も多いのではないでしょうか。試験途中でも、試験諦めて具合悪そうに帰る人もいましたね。
編集: 今年の試験は例年に比べてどうだったんでしょう?難しかったですか?
島津:
そこまで難しくもなかったですね。
確かに変則的な問題もあったにはありましたけど、自分の頭で考えればわかる程度の問題でした。
個人的には、第3問の文章問題が難しかったですね。言語学にまつわるもので、問題の最後が小論文だったんですけど。
編集: 今回の手ごたえは、正直なところどうですか?
島津:
合格かどうかは、五分五分という感触ですね。「わぁ!できなかったー!」っていうほどできなくもないし、「全部解けた!やったー!」というわけでもないですし。
解答速報とか、講習に出てないので、結果が届くのを待ってます(笑)。自分としてはやりきったので。
編集: 今までいろんな勉強法を試していたと思うけど、どんな勉強方法が一番効果的だったと思いますか?勉強しておいてよかったこととか。
島津:
直前の検定対策としては、日本語教育能力検定対策のweb講座も受けていたので、その動画を見直していました。
試験の前日にも授業に出ていたんですけど、その内容がわりと出たので、出席してよかったなって(笑)。だから、普段通り勉強するのが大事だなって思いました。
わたしは模試は特に受けていなくて、過去問で勉強しました。過去問は何回かやってると答えを覚えちゃって意味がないなって思ったので、それからは、検定対策の授業でもらえる問題プリントを何回も解いて全問正解できるようにしてました。過去問を解くことも大事だけど、過去問だけでもダメだよってことは声を大にして言いたいです。
ほかによかったと思うことは、文法の勉強をたくさんしていたことです。いつの間にか文法の理解が深まっていて、ちょっと本を見ていると、「ここの言葉ってこういう構造になってるから、こういう使い方ができるんだな」って分析する癖が身についたんですよ。分析する癖のおかげで、文法問題を解くことが得意になったし、文法が好きになりました。多分試験問題でも、文法はほとんど正解だと思います。
編集: 逆に、やっておけばよかったとか、もう少しこうすればよかったっていうようなことはありますか?
島津:
音声学ですね。リスニングで、口の断面図とかがでてくるような問題。あとは単純にアクセントの問題とかもあります。
次から次へと矢継ぎ早に出題されるので、考えてる時間がないんですよ。考える時間がなさ過ぎて、「前の問題わからなかった…」っていうのがありました。
わたしの場合は、夏から勉強を始めたんですけど、今になって思えば、音声学はもっと早い段階からやっておけばよかったなって。
音声学の問題は、知識を求められるものと、知識をもとに自分で考えて答えを見つけなくちゃいけないもの、っていのが半々くらいかな、と思います。
例えば、さっき言った断面図の問題。断面図をパッと出されて、今話された言葉は、どういう風に発音されているか、というような。こういう場合、知識だけではなく、「これは鼻音だから、口蓋垂の形がこうなってる」とか「舌が硬口蓋に近い形だ」とか、自分で根拠をもとに考えていかないといけない。こういう問題なので時間を消費するんですよ。だからもっと慣れるまでトレーニングすればよかったなって。
編集: それでは、ズバリ、来年の受験を目指している人たちにアドバイスはありますか?
島津:
音声学は早めに(笑)。
あとは、教育法は範囲が広くて苦手な人もいるかと思うんですが、覚える系のものは先にやっちゃったほうがいいかなと思います。
教育法は、「この時代は文法訳読法があって〜紆余曲折を経てナチュラルアプローチ法になって〜」というように、時代の流れを考えたり覚える必要があります。そういうのが苦手って人が、クラスにも結構いたので。語彙や関連あるものも一緒に覚えちゃうとか、工夫するといいと思います。それで、覚えるもの覚えて早めに音声学に入るというのががベターなんじゃないでしょうか。
音声学自体は、基礎知識がないまま始めると意味が分からないので、必要な専門知識が身についたところですぐ始めるくらいがいいと思います。
参考になる本で言うと、試験会場ではヒューマンの赤本持ってる人がたくさんいましたね。Webサイトで紹介よくされている本なのでわたしも持ってます。日本語教育能力検定試験に出てくる単語がまとめられていてすごい使いやすかったです。
編集: さあ、試験も終わりましたし、島津さんの次なる目標はなんでしょう?
島津: 模擬の成功と就活ですね!
編集: 今から就活なんですね。
島津:
はい、各学校で募集が始まっているところですね。
ところがですね、今、正直言うと就職で悩んでいまして…。
編集: どうしたんですか?
島津:
非常勤で始めるというのも大変なのですが、研修期間だと給料も更に低くなっちゃうので、東京で生活していけなくなっちゃうなってところが悩みどころです。
今教案づくりを始めたところなので、一つの教案作るだけでもこんなに時間かかるのに、非常勤で食べていこうとすると、何コマも持たなきゃいけないから…。
周りとか身内からもずっと言われてることだったんですけど、日本語教師の資格は今取っておいて、実際に活躍するのはもう少しあとでもいいんじゃないかって。
なんで急にこんな弱気になってしまったのかというと、わたしと同じくらいモチベーションの高かった仲の良い人から、日本語教師の夢を一旦は諦めるって言われちゃって、わたしも揺らいでしまってるんですよね。ちょっとやってく自信がなくなっちゃって。
編集: 就職について、どういう方向でいこう、とかも見えない?
島津:
第一に生活費、次に夢である日本語教師ですね。生活を安定させるためにどうするかってところが問題です。
今の仕事をもう少し続けてお金を貯めてから就職するのか、もしくは別の仕事で正職員して、日本語はボランティアで教えるとか、日本語教師として活躍するにはいろんな選択肢はあると思うんですけど…。自分の中でボランティアっていうのは一番ナイ選択肢なんですけどね。
あとは、新設校が多いんですけど、最初から専任で働くという方法ですかね。でも、ちゃんといろんな経験ある先生たちから学びたいなって思ってるんですよね。
日本語教師人生としてその後のことも考えると、ゆくゆくは主任を目指すことになるので、新設校で働くと自分のやり方を貫き通してしまう怖さがありますよね。
編集: 日本語教師はやりたい、でも手段が…ってところで揺れてるんですね。
島津:
揺れてるんですよね。
わたしとしては、当初の目標を貫いて日本語教師一本で食べていきたいんですよ。だからアルバイト掛け持ってヘロヘロになるより、いっぱいコマ数もってやっていきたいんですよね。
学校でも個別面談の時間があるので、ちょっと相談しようと思います。
編集:
こういう時に相談の窓口があると助かりますよね。
どういう方向性で就活するのか、またはしないのか、また次回お話を聞けたらな、と思います。
島津: はい、ありがとうございます!
> > 第5回 第5回 日本語教師の就職活動とは?開始時期と方法
学校の授業面では、実習が本格始動し、教壇へもあと一歩というところです。
しかし、実習の準備に加え通常の課題や検定試験も重なり、学業と家庭や仕事との両立が難しくなってきているようで、生徒の皆さんにも疲れが出ているようです。
教壇に立っての実習は、「先生」として最初の授業を行う体験です。これからも教壇に立つ自分をイメージして、モチベーションアップ!
日本語教育能力検定試験は、知識を問う問題、知識として覚えているだけでなく理解ができているかを問う問題があります。理解を問う問題では考えることが必要なので、日ごろから解く練習を行っておいた方がいいでしょう。
そのためには、計画的に勉強して、出題範囲を網羅する必要があります。そのうえで、過去問題を中心に問題を解く練習を行うといいでしょう。講座に通っていれば学校のプリントやテキストなどの問題、市販の問題集などが役立ちそうです。
検定試験の終了後には、その後の進路に直面します。今から日本語教師になるのか、もう少し自分の生活を整理してから始めるのか。日本語教師になるとしたら、フルタイムで働くのか、パートタイムで働くのか。
日本語教師の働き方は多種多様なのがメリットですが、それは自分で決めなくてはいけません。どのような進路に舵を取るのか、自分と向き合ってみましょう。
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