現役日本語教師、本当はこう思ってる!アンケート結果を大公開!
国家資格化に伴い、大きな制度変更が相次いでいる日本語教師。現役日本語教師の皆さんは、日本語教育界の様々な動きをどのように感じているのでしょうか?
率直なご意見を知るべく、日本語教師の皆さんへのアンケートを実施しました!
国家資格化や経過措置についてだけでなく、日本語教師の資格を取得した経緯、就職活動のエピソードや日本語教師のやりがいなど、日本語教師という職業全般に関して幅広くお答えいただいています。
これから日本語教師を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
アンケート回答者の基本情報
今回実施したアンケートでは、100名を超える日本語教師の方にご回答いただきました。
- 調査主体:日本語教師ナビ
- 調査方法:アンケートフォームによる回答
- 調査地域:全国
- 調査対象:日本語学校、専門学校、大学の日本語学科等に勤務している日本語教師
- 調査人数:158名(2024年3月28日現在)
- 調査期間:2023年10月25日〜2024年3月28日
性別
女性が7割弱、男性が3割弱という結果に。日本語教師は、女性がライフステージが変化しても続けやすい仕事であると言われますが、まさにそうした一面を反映した結果と言えそうです。
年代
40代が3割強ですが、大きな偏りはなく、50代3割、30代2割弱、60代1割強という結果。幅広い年代の方にご回答いただきました。
勤務形態
今回のアンケートでは、専任講師の方が6割強と多い結果になりました。学校長や執行役員の方からの回答もありました。
日本語教師になる前の職業
意外にも、教育関連の職業ではなく、営業職が最も多い結果になりました。次いで教諭、事務職などが続きましたが、中でも注目したいのは、留学カウンセラーや旅行事業、翻訳など国際交流関連の職業が一定数あがった点。日本語教師の前職ならではと言えるかもしれません。
関連記事:営業職を経て日本語教師になった方のインタビュー
日本語教師の国家資格化について
質問:日本語教師の国家資格化についてどう思いますか?
「いいと思う」が半数を超えていますが、「どちらとも言えない」「あまりいいとは思わない」と肯定的ではない意見が合わせて4割弱に。国家資格化に対する皆さんの複雑な心境が読み取れる結果です。
関連記事:日本語教師の国家資格に関する最新情報!
質問:なぜそう思いましたか?
「いいと思う」理由
- 日本語教育において責任をもって学習者に接することができるから。(50代・専任講師・男性)
- 待遇や地位、社会的認知度の向上が見込める。(40代・非常勤講師・女性)
- 日本語教師の質、専門性が向上すると思う。(50代・専任講師・女性)
- 国に認められた資格を持つことで、自信や責任が生まれるので。(40代・非常勤講師・女性)
- モチベーションの向上と倫理意識の向上につながると信じている。(50代・非常勤講師・男性)
- 一言で日本語教師と言っても告示校からボランティア、フリーランスオンラインなど様々あり、レベルの差が否めないため。(40代・専任講師・女性)
「どちらとも言えない」理由
- ある程度以上の学力ややる気を持った人材を篩にかけられるという点では評価される面もあるかもしれないが、もし応用試験が現行の日本語教育能力検定試験と同様の難易度や合格率であるならば、現在現職として活躍している優秀な人材すらも職を失いかねないマイナス面があるから。(40代・非常勤講師・女性)
- 国家資格化によって、世間からの評価の向上、雇用の安定化や待遇改善のきっかけになれば良いと思う反面、国家資格化による先生個人や教育機関の負担に見合うのか疑問が残るため。(30代・専任講師・女性)
- きちんとした日本語を外国人に教えるためには、ある程度の規定が必要だと考えます。しかし、それが国家資格という形で良いかどうかわかりません。(60代・非常勤講師・女性)
- 大学や420時間の養成講座で勉強してからかなり時間が経過している人もいるので、これからの試験となると難しい面もあると思う。(30代・専任講師・女性)
- 国家資格とするなら日本語教師の大幅な待遇改善が必須と思う。具体的には最低時給は5,000円を保証してもらいたい。(60代以上・非常勤講師・性別無回答)
- 資格合格に関する基準と内容がとてもあいまいなため。基本的には賛成ではあるが、もう少し現実的かつ現場経験者が優遇されるものだといいと思う。(40代・非常勤講師・女性)
「あまりいいとは思わない」理由
- ただでさえ、合格しにくい試験に合格することを義務化すると、現職で資格のない先生は猶予期間後の5年後どのくらいいなくなるのか心配。(30代・専任講師・女性)
- 日本語教員になるきっかけのハードルが上がるため。(40代・事務局員・男性)
- 現役の職員が講義を受けたり、試験を受ける時間を作ることが難しい。また、今回のやり方では、今までのキャリアがまったく考慮されていない気がする。(50代・専任講師・女性)
- 留学生への日本語教育といっても、学習者のニーズ、レディネス、ビリーフは様々で、教員側も多様な持ち味で対応していく必要がある。国家資格化することで、資格取得者のタイプが固定化すると、日本語教育全体の自由度が下がれば、メリットはどこにも生まれない。(30代・非常勤講師・女性)
「いいと思う」理由には、多くの方が「日本語教師の地位や待遇の向上が見込める」と答えていました。一方で、試験のハードルが上がることによる離職率の向上や、なり手となる新人日本語教師の減少などを危惧する声が、ネガティブな要素としてあげられました。
資格取得の要件が変更になることについてどのように感じていますか?
アンケート実施時点で経過措置や要件変更に関しては詳細が未確定だったということもあり、「どちらとも言えない」が最も多い結果。ただし「いいと思う」「あまりいいとは思わない」もほぼ同数であり、国家資格化の質問に続き、こちらも日本語教師の皆さんの動揺が伝わってくる結果です。
質問:なぜそう思いましたか?
「いいと思う」理由
- 現職者の経過措置も取られるので、現実的だと思うから。(40代・非常勤講師・女性)
- 従来よりも実務面を重視した教科が増えているように感じるため。(30代・専任講師・女性)
- 待遇がよくなるはずだからと期待している。(40代・専任講師・女性)
- 国家資格化には必要なことと思う。(40代・専任講師・女性)
- 学歴の要件がなくなり、公平感があってよいと感じています。(50代・専任講師・男性)
- これまでを良いとも思っていないが、教務にあたるメンバーに違いがあると、整合性が取りづらくなる。(50代・非常勤講師・男性)
- 一番大事な実技が課されているから。(50代・非常勤講師・女性)
「どちらとも言えない」理由
- すでに取得して働いているにも関わらず再試が必要なのは納得いかない。(50代・非常勤講師・女性)
- 養成研修の内容が国家試験合格のノウハウに傾くのではないか。試験の難易度によっては日本語教師を目指す人自体が減少するのではないか。(30代・日本語教師養成講座マネージャー・女性)
- 要件の変更自体は良いと思うが、変更基準が不明瞭な点が疑問。(50代・専任講師・女性)
- 日本語教育能力検定試験合格者の優遇が解せない。検定合格者の経験の少ない教師よりベテランの必須50項目以前の教師の方が国家資格を取るためのステップが多いのは問題だと思う。(40代・専任講師・女性)
- すでに有資格者で、どのように国家資格を取得できるのかわからない。(50代・マンツーマンレッスン・男性)
「あまりいいとは思わない」理由
- 経験はあるが、要件を満たしていない先生方が日本語教師を辞める可能性があるため。(40代・非常勤講師・女性)
- 切り替えるのが複雑。(50代・専任講師・男性)
- 現役の職員が講義を受けたり、試験を受ける時間を作ることが難しい。また、今回のやり方では、今までのキャリアがまったく考慮されていない気がする。また、経験者と経験実績、資格を持っているだけという人の区別がされていない。(50代・専任講師・女性)
- どこの学校も教員不足が問題となっている中、資格難易度が上がることでさらに教員の余裕はなくなり、授業の質を落とすことにつながるのではないか。(30代・非常勤講師・女性)
「いいと思う」理由としては、国家資格化にあたり必要な措置であるから、といった内容が多くを占めました。「どちらとも言えない」「あまりいいとは思わない」理由としては、現場で働いているベテランの日本語教師も要件変更になることが納得できない、これを機に退職する日本語教師が出るのではないか、といった声が目立ちました。
日本語教師養成講座について
質問:日本語教師の資格を取得した方法は?
「日本語教師養成講座+学士」が過半数で、残り半分を「日本語教育能力検定試験」「4年制大学での専攻」が占める結果に。国家資格化に伴い日本語教師の資格取得方法にも変更が生じる予定のため、今後はどのようなルートで目指す方が増えるのかも、注目すべき点ですね。
関連記事:日本語教師養成講座とは?概要と人気のスクールを紹介!
質問:日本語教師養成講座の受講料には教育訓練給付金制度があることをご存じでしたか。
「知っていた」「知らなかった」ほぼ半数ずつで割れました。今後日本語教師のなり手を増やしていくためにも、給付金の存在を受講生に知らせていくことが、日本語教育界の課題とも言えるかもしれません。
関連記事:日本語教師養成講座は教育訓練給付金の対象になる?
質問:「知っていた」と回答をされた方は、どこで給付金制度を知りましたか。
日本語教師養成講座で知ったという方に続いて、自分でインターネットで調べた、という方が多い結果になりました。受講を希望している人に確実に知ってもらうためには、発信側も、より分かりやすく見つけやすい情報の発信を心掛けていく必要がありそうです。
関連記事:日本語教師養成講座は教育訓練給付金の対象になる?
質問:日本語教師の資格の取得で苦労した点を教えてください。
【スケジュール調整、時間のやりくり】
- 子育てと仕事との両立が大変だった。(50代・非常勤講師・女性)
- 仕事をしながら、通い、模擬授業準備をすること。(30代・専任講師・女性)
【試験】
- 理論科目の暗記や、教案などの課題作成。(40代・非常勤講師・女性)
- 聴解問題への慣れ。(60代以上・専任講師・男性)
- イントネーション。(60代以上・非常勤講師・男性)
- 言語学などで初めて聞く言葉の理解と、言語教育の歴史で出てくる外国人の名前と研究内容が結びつかない点。(60代以上・非常勤講師・女性)
- 独学での試験準備はほんとうに孤独な闘いでした。数か月、睡眠時間を削って取り組みましたが、とくに日本語教師としての経験がない状態での教授法分野の勉強は、「この理解でいいのか?」というのが、確信が持てず、かなり痩せました。(50代・専任講師・男性)
- 音声で苦労しました。(50代・専任講師・女性)
- 範囲が広いので、なかなか知識の取得を網羅的にできなかった。(50代・マンツーマンレッスン・男性)
【実習、模擬授業】
- 日本語教師というものの正解を知らないまま、教育実習などをしたこと。実地で見学するなどの機会を先に持って、それから実習などをしたほうがより実践に即した実習になったのではないかと思います。(40代・専任講師・女性)
- 模擬授業。教師未経験にはゼロからの模擬授業は試行錯誤の連続でした。しかしこれが嫌なら職業として就くことはできないので、良い経験でした。(40代・非常勤講師・女性)
【金銭面】
- 養成講座の費用が多少負担に感じました。(50代・専任講師・男性)
多種多様な回答から、皆さんの資格取得への苦労が偲ばれました。「試験や実習の対策」という回答も多く寄せられましたが、「仕事や子育てとの両立」という回答も目立っていました。
関連記事:子育てと受講、子育てと日本語学校勤務を両立させている方へのインタビュー
日本語教育能力検定試験について
質問:試験対策はどのように行いましたか?
日本語教師養成講座での学習が半数越え。難易度の高さを考えると、独学で目指すのはやはり厳しいと感じる人が多いのかもしれません。
関連記事:「日本語教育能力検定試験」とは?お役立ち情報まとめ
質問:日本語教育能力検定試験の合格までに受験した回数は?※
「1回」と答えた人が7割近くとなりました。受験機会は年に一度になるため、一度で決めたい、と考える人が多いのかもしれませんね。
※まだ合格をしていないが受験経験がある、という場合は、現在までの受験回数を回答。
日本語教師として働くことについて
質問:就職活動はどのようにおこないましたか。(複数回答可)
日本語教師専門の求人サイト、日本語教師養成講座機関への相談が6割強にのぼりました。知人の紹介と答えた人も1割を占め、日本語教師の就職活動には、日本語教師専門のルートやネットワークが重要になるといえるでしょう。
関連記事:日本語教師の養成講座体験記 第5回 日本語教師の就職活動とは?開始時期と方法
質問:日本語教師は日本語以外の語学の知識があった方が良いと思われますか?
「そう思う」が圧倒的多数の結果になりました。基本的に日本語で教えるといっても、外国人に指導する上で、他言語の知識も必要だと考える人が多いようです。
質問:なぜそう思いますか?
【そう思う】理由
- 外国語を学ぶ楽しさも大変さも理解してあげられるから。(40代・専任講師・男性)
- 日本語の構造や発音の仕方の違いなどを知っておくと教えやすいから。(40代・非常勤講師・女性)
- 学生の気持ちを理解するには、直説法で外国語を学ぶことがどんなストレスがあるのかを知っておいたほうがいい。また、母語の干渉を理解し、対策としての教授法を考えるのに役立つから。(60代以上・専任講師・男性)
- 留学生は日本語学校で学んだあと多くは日本で就職をします。その際、教員の社会人経験があれば、体験談、社会人のマナーなど、日本社会に溶け込む知識を教えることができます。(40代・専任講師・男性)
- 授業で使用する必要はないが、学生とのコミュニケーションのきっかけや助けになることがあるため。(30代・専任講師・女性)
- 少なくとも平仮名も分からないレベルの初級の学生には多少の媒介語がないと、厳しい場面があります。(20代・非常勤講師・女性)
- 国内の日本語教師としてはなくても大丈夫と思いますが、海外募集や海外の方と何か進めるときには多言語である方がいいように思います。(40代・専任講師・男性)
- 文化的背景を理解することもできるので。話せるかどうかは別として、言語間の違いに興味を持っていたほうがいいと思う。(30代・専任講師・男性)
- 言語は文化や習慣、思想が背景にあって成り立っているものだと思うから。(30代・専任講師・女性)
- 音声などにおいていくつかの言語知識があった方が教授の際、役立つと思うから。(40代・専任講師・女性)
- 日本語以外の語学の知識があることにより、語順が日本語と違っていたり、漢字は同じだが意味が違うなど事前に知る事ができ、学習者にどこを重点的に教えた方が良いかなどが理解できると考える為です。(20代・専任講師・男性)
- 基本的には直接法での授業が良いと思いました。最初から共通言語で進めるとそこにばかり頼ってしまうから。でもカタコトでも共通言語があるとスムーズ。(40代・非常勤講師・女性)
- 対照言語学の方法論が、経験則と結び付けやすいと思うので。また、「日本語を"外"から見る視点」、「言語学習者としての視点」を持つことにつながると思うので。(40代・専任講師・男性)
【あまりそうは思わない】理由
- 直接法で本当に教えるスキルを磨くことが1番だと思うから。(60代以上・非常勤講師・女性)
- 学習経験はあるにこしたことはないが、直接法での指導を行うので授業において必須とは考えない。すべての国の言語ができる訳ではないので、結局多数の国籍が変化した場合、直接法でやる他ない。(30代・非常勤講師・女性)
- 基本的な語学の知識があればよいと思う。他の語学に長けている人でそれを日本語教育に還元できている人はほとんどいないため。(40代・校長・女性)
- 少し英語が話せれば初級学生にはいいかもしれないが、知識は特に必要がないのではないかと思う。(30代・専任講師・女性)
「そう思う」理由として、多くの人が「外国語を学ぶ大変さを理解できるから」と答えていました。また、「教える上で日本語の特徴や他言語との違いを知っておくべき」という意見も多く見られました。「あまりそうは思わない」理由としては、「直接法で教える上で他言語の知識は必要ない」という意見が多数でした。
関連記事:日本語教師に英語力は必要?
質問:日本語教師を目指したきっかけを教えてください。
- 外国で暮らしていた中で、異文化交流と語学学習の楽しさを経験したから。(40代・非常勤講師・女性)
- 日本語ボランティア養成講座を受けアシスタントとして授業を経験したこと。(50代・非常勤講師・女性)
- 海外駐在中、日本語教師として活躍していた友人と出会ったこと。(40代・非常勤講師・女性)
- 外国で働くため。(30代・専任講師・女性)
- 前職で外国人のスタッフがおり、日本語でもコミュニケーションに苦労しているようだったから。(40代・非常勤講師・女性)
- 小さいとき、家にホームステイの学生が来たため。(30代・専任講師・女性)
- 海外にいた時日本語教師をしている方と知り合い、国語ではなく、日本語の教え方というものに興味を持った。(50代・専任講師・男性)
- 語学留学中に現地の日本語学科の学生と交換授業をした。(40代・専任講師・男性)
- 英語学習で苦労した経験によりより分かりやすく言語を教えるという事に興味を持ったため。(50代・専任講師・女性)
- 自分自身も外国留学を経験したが、メンタルを崩した。そのとき、力になってくれた先生のように、外国で頑張っている人たちの心を支えられる存在になりたかったから。(40代・専任講師・女性)
- 日本語と言う言語そのものに興味があり、それを学んだ知識が活かせる職業だったから。(40代・専任講師・女性)
- 台湾で働きたいと思ったことと、勤務先や働き方が変わっても一つの仕事をしていきたいと感じたこと。(30代・専任講師・女性)
- 留学生たちの日本語レベルの低さに驚いたと同時にそんな彼らに日本語の説明ができなかった自分にも驚いたから。(40代・非常勤講師・女性)
- 長く働けて、今後の日本の為になるからです。(50代・非常勤講師・女性)
- 中国残留孤児の方が日本に帰国して苦労されているのを見て、力になりたいと思ったから。(40代・校長・女性)
- 英会話学校で英語を学んでいた大学時代に、逆に日本語の面白さに気づいたから。(50代・非常勤講師・女性)
- 電車の中で外国人労働者に日本語について質問されたのがきっかけです。(50代・非常勤講師・女性)
- 非常勤講師であれば定年のないことが魅力的だった。(60代以上・非常勤講師・性別無回答)
皆さんきっかけはそれぞれ違いますが、「外国人との出会い」「異文化コミュニケーション」が思いのベースとなっている方が多いことがわかりました。
関連記事:それぞれのストーリー。日本語教師を目指した、きっかけとは
質問:どんな時にやりがいを感じますか?
- 以前おしえた学習者が日本で日本語を使って立派に生きている姿を見た時。(50代・専任講師・男性)
- 分からなかったことが分かって納得した表情をしたり、日本語学習そのものに楽しさを感じたりして、学生の顔が輝いているのに立ち会った時。(50代・専任講師・男性)
- 新しい授業の形を模索し、実行に移し、実践が叶うとき(成果は別として)(30代・専任講師・女性)
- 学生が真剣なまなざしで授業を聞いていたり、積極的に発言するとき。(40代・専任講師・男性)
- 学習者と一緒になってトライ&エラーをしているとき。学習者の取り組みが教師のナレッジにもなるので、同じ目線でともに学ぶことができるのが魅力。(30代・専任講師・男性)
- 学生が自ら質問をして来て、やり取りの中で「わかった!」と満足げな表情をする時です。学生の学習意欲を感じることが喜びです。(60代以上・非常勤講師・女性)
- 授業に対する学習者の反応が良かったとき。「わかった」「説明が分かりやすい」「役に立った」と言われたとき。(40代・専任講師・女性)
- 学習者に分かったと言ってもらえたり、日本語に限らず様々なことについて話し合っているとき。また、授業準備などを通して日本語自体の理解が深まったと思えたときにやりがいを感じる。(40代・専任講師・女性)
- 初級で意思の疎通もままならなかった学生が、卒業時には自分の目標を達成できるまで上手になり、社会で活躍している様子を見たとき。(30代・専任講師・男性)
- 生徒さん達が日本語で交渉して問題解決ができた時。(50代・非常勤講師・女性)
- 学生から「先生のおかげで志望校に合格できました」と言われた時など。(60代以上・非常勤講師・男性)
- 学生とコミュニケーションを取りながら新しい文型の導入、練習がうまくいったとき。(50代・非常勤講師・女性)
- 毎日、本当にいろいろなことが起きて、飽きることがないところです。(40代・専任講師・男性)
この質問で多かったのが、学習者が「わかったという表情をしたとき」「顔を輝せたとき」という、学習者の「表情」「リアクション」にまつわる回答でした。
日本語教師は、特に日本語を習いたての学習者に関しては、言葉ではなく表情からその心情や理解度を察して教えていくことが重要になる職業なのだと感じました。
また、学習者が「日本語を使いこなせるようになったとき」「日本で活躍している姿を見たとき」などの回答も多くありました。改めて、日本で働きたい、日本語を使って生きていきたいと考えている外国人に対し、使命感をもって日本語を教えていることが読み取れる回答でした。
関連記事:日本語教師の仕事内容を詳しく解説!教師としてのやりがいは?
まとめ
今回のアンケートでは、100名以上の日本語教師の皆様にご協力いただきました。
アンケート実施時点で国家資格化に向けてまだ未確定の部分も多く、回答の内容からは、皆さんの不安な気持ちや複雑な心境も伝わってきました。しかしそれ以上に、日本語教師としての誇りや責任感、何より学習者へ日本語を教えることへの楽しさを強く感じられる回答が多かったことが印象的でした。
これから日本語教師を目指す方には、大変さ、厳しさはもとより、日本語教師という職業の素晴らしさや価値の高さを、貴重な「生の声」から感じ取っていただけたら嬉しいです。
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専門家からのコメント
日本語教師ナビで行った本アンケート調査について、専門家や日本語教師の皆様からお寄せいただいたコメントをご紹介します。
日本語教師ナビ
ライター
Miku 様
今話題になっている国家資格化についてですが、日本語教師の質と認知度の向上という観点では、とても良い傾向だと思います。特に日本国内においては、教師不足の解決にも繋がるのではないでしょうか。
一方で、海外に住むフリーランスの日本語教師の立場としては、資格取得のために改めて試験を受けなければならないとなると、なかなか難しいので、現職の先生方の離職率が高くならないか心配です。また、日本語教育に関する情報源として、インターネットを利用している方が一定数いることから、発信者の1人として有益な情報をより分かりやすく伝える必要性を改めて感じました。
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