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海外で働く日本語教師(常勤講師)の平均年収はどのくらい?地域別にご紹介

更新日:2024/11/25

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海外で働く日本語教師(常勤講師)の平均年収はどのくらい?地域別にご紹介

「海外で日本語教師として働いてみたいけど、給料はどのくらいもらえるんだろう」

このように、海外で日本語教師として働くことに興味がある一方で、現地で生活していけるだけの給料をもらえるのか、不安に思っている方がいるかもしれません。

今回は、そのような方に向けて、海外で働く日本語教師(常勤講師)の平均年収について、地域別にまとめてみました。

※本記事でご紹介する平均年収は、為替レートや物価高などの影響で、大きく変動する可能性があるため、参考程度にご覧ください。

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国内で働く日本語教師(常勤講師)の平均年収

厚生労働省が発表している日本語教師の平均年収は、483.5万円(2023年)となっており、日本全国の平均年収460万円よりも少し高くなっています。

しかしながらこの数値には、大学教授などの年収が高い日本語教師も含まれているため、実際には280万〜450万円の範囲で、平均すると年収は300万円程度だろうといわれています。

月収にすると1ヶ月20万円前後だとされており、働くエリアや日本語教師としての経験、年齢などによって、もらえる金額は増えていきます。

参考 厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag 日本語教師」国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」

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海外で働く日本語教師(常勤講師)の平均年収はどのくらいなのか

働く国や地域によって大きく異なる

海外で働く日本語教師(常勤講師)の平均年収は、物価の違いで働く国・地域によって大きく異なるため、一律にはいえません。

基本的に、物価の高い国に行くと円建てでの平均年収は高くなり、物価の安い国に行くと平均年収も低くなります。

日本語教師の給料水準は、それぞれの国における一般市民の平均年収程度か、少し多い程度とされています。

ただし、大学を始めとする高等教育機関で働く場合は、その国の平均年収よりも高い給料をもらえるケースが多いです。

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海外で働く日本語教師の地域別・平均年収

それでは、海外で働く日本語教師の平均年収を、平均月収とともに地域別に見てみましょう。

以下でお伝えする平均月収・平均年収は、日本語教師の求人サイトである日本村やJEGS Internationalなどで公開されているここ数年の求人情報をもとに、大まかな目安金額を算出しています。

アジア地域

世界の日本語学習者を見てみると、東アジア・東南アジア出身者が全体の7割以上を占めているというデータがあり、海外の日本語教師もアジアで働く人が多い傾向にあります。

東アジアでは中国と韓国、東南アジアではタイを例に、平均月収・平均年収を見てみましょう。

平均月収 平均年収
中国 17万〜32万円
(8,000〜1万5,000元)
204万〜384万円
(9万6,000〜18万元)
韓国 22万〜27万円
(200万〜250万ウォン)
264万〜330万円
(2,400万〜3,000万ウォン)
タイ 9万〜13万円
(2万〜3万バーツ)
108万〜162万円
(24万〜36万バーツ)

※為替レート:1元=21.34 円、1ウォン=0.11 円、1バーツ=4.51円、1,000円以下切り捨て

私がタイで日本語教師として働いていた時の給料は、1ヶ月2万バーツ程度でしたが、個人的には現地で生活をしていく上で、少し足りないと感じていたので、貯金を崩しながら生活していました。

オセアニア地域

オセアニア地域は親日家が多いことで知られており、特にオーストラリアは英語圏でも日本語教育が盛んな国です。

以下では、そんなオーストラリアを取り上げて、平均月収・平均年収をまとめます。

平均月収 平均年収
オーストラリア 30万〜40万円
(3,000〜4,000ドル)
361万〜482万円
(3万6,000〜4万8,000ドル)

※為替レート:1オーストラリアドル=100.49 円、1,000円以下切り捨て

ヨーロッパ地域

ヨーロッパは国によって日本語教育の需要が高く、イギリスやフランス、ポーランドあたりは求人が多く出ています。

しかしながら、就労ビザが取りにくいことと、学習者数に対して十分な日本語教師を確保できているという状況から、多くは現地在住者向けの非常勤講師の募集となっています。

以下では、求人がよく出ているポーランドを例に、平均月収・平均年収をまとめます。

平均月収 平均年収
ポーランド 11万〜15万円
(3,000〜4,000ズウォティ)
136万〜182万円
(3万6,000〜4万8,000ズウォティ)

※為替レート:1ズウォティ=37.98 円、1000円以下切り捨て

アフリカ地域

アフリカでは、ボランティアの日本語教師や、JICA(独立行政法人国際協力機構)などの支援団体を通して、日本語教師の仕事をするケースが多くなっています。

支援団体などを通して働く場合には、現地で生活していけるだけの十分な給料が期待できるでしょう。

以下では、アフリカの中でも求人が比較的出やすいエジプトを例に、平均月収・平均年収をまとめます。

平均月収 平均年収
エジプト 4万〜6万円
(1万5,000〜2万ポンド)
55万〜74万円
(18万〜24万ポンド)

※為替レート:1エジプトポンド=3.11円、1,000円以下切り捨て

北米地域

北米もヨーロッパと同じように、就労ビザが取りにくいため、日本語教師の求人はその多くが現地在住者向けとなっています。

また、北米の日本語教師は、非常勤講師として雇われるケースが多いため、常勤講師として働くことを目指すのはハードルが高いかもしれません。

以下では、アメリカを例にして平均月収・平均年収をまとめます。

平均月収 平均年収
アメリカ 30万〜45万円
(2,000〜3,000ドル)
363万〜545万円
(2万4,000〜3万6,000ドル)

※為替レート:1アメリカドル=151.53円、1,000円以下切り捨て

中南米地域

中南米は日系人が多く住む地域で、昔から日本語教育が盛んに行われています。
特にブラジルは、世界で最も多い270万人(2023年)もの日系人が暮らしており、日本語教師もたくさん活躍しています。

以下では、そんな中南米で人気の高いメキシコを例に、日本語教師の平均月収・平均年収をまとめます。

平均月収 平均年収
メキシコ 7万〜15万円
(1万〜2万ペソ)
90万〜180万円
(12万〜24万ペソ)

※為替レート:1メキシコ・ペソ=7.53円、1,000円以下切り捨て

参考 日本村JEGS International外務省「海外日系人数推計」

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海外で働く日本語教師の現状

こちらでは、海外で働く日本語教師の現状はどうなっているのか、簡単にまとめます。

ギリギリ生活できるくらいの給料というケースは多い

海外で働く日本語教師の給料は、現地でギリギリ生活していけるくらいというケースが多いです。

特に、アジアやアフリカなどの発展途上国では、衛生面を考慮すると、現地の人と同じ生活水準で暮らすのは、日本人にとって辛い面もあるでしょう。

ただし、生活費に関しては個々の生活スタイルによっても大きく変わるため、同じ金額でも余裕をもって生活できるくらいもらえている、と感じる人もいるはずです。

十分な福利厚生は期待できない

福利厚生に関しても、家賃手当や健康保険、有給などは、基本的に提供されないと思っておいた方がいいかもしれません。
もちろん学校によっては、家賃の一部や日本までの往復航空券代などを払ってくれる場合もあります。

また、就労ビザの申請費用は、基本的に学校側が負担してくれますが、これも自己負担とされているケースがあるので、渡航前にしっかりと確認しておくことが大切です。

私が働いていたタイの日本語学校では、ビザ費用は学校側が負担してくれましたが、家賃手当などの福利厚生はありませんでした。

サービス残業が多くあることも

国によっては労働基準法が整備されておらず、サービス残業が多くあることもあります。
そのため、働く国や日本語学校によっては、仕事量が年収に見合っていないと感じることがあるかもしれません。

私の場合は、原則10時半から18時半で勤務し、週休は2日とされていましたが、日本語教師が不足していたため、休日にイベント対応などで特別に出勤したり、20時〜21時頃まで夜の授業を担当したりすることもありました。

退職後で余裕のあるシニア世代向けの選択肢になっている面も

主に待遇面でのデメリットが多い海外の日本語教師は、退職後で経済的に余裕のあるシニア世代向けの選択肢になっている面も、少なからずあります。

若い時から海外移住に憧れていたけど、仕事・家事・育児が忙しくて、自分の夢と向き合う時間がなかったという場合、海外で日本語教師として働くのはハードルが低く、選択肢として考えやすいでしょう。

シニア世代では、日本から近く、ある程度お金を出せば日本と変わらない生活ができるアジア地域での就職が人気です。

シニアの日本語教師については、『シニアが日本語教師を目指す上でのポイントは?注意点も解説!』で解説しています。

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海外の日本語教師として年収をアップさせるには

それでは、海外の日本語教師として年収をアップさせるにはどうすればいいのか、以下で解説します。

大学や一般企業で日本語教師として働く

海外といっても、大学や専門性が求められる一般企業などで日本語教師として働くと、現地の給料水準よりも高めの給料をもらえる可能性が高いです。

国の政府機関が運営している日本語教育支援プログラムのようなものも、基本的に待遇が充実しています。

前述したJICAで、日本語教師としてどこかの国へ派遣してもらうのも、各種手当の支給が期待できるでしょう。
JICAが公表している支給額(1年未満の短期派遣)の目安は、1ヶ月あたり8万〜13万円となっています。

副業をする

海外で日本語教師をしながら、夜や週末の空き時間に副業をするのも、年収アップにおすすめの方法です。

最近では、オンラインでできる仕事も増えているので、オンライン日本語教師として自宅で授業を行うのもよさそうです。
データ入力やWEBライターなど、キャリアアップも兼ねて日本語教師以外の仕事に挑戦してみるのもいいかもしれません。

日本語教師の副業については、『日本語教師の副業はいくら稼げる?』で解説しています。

経験を積み重ねる

海外に限ったことではありませんが、日本語教師としての経験を積み重ねていくと、学校側と給料アップの交渉をすることができます。

経験があると、その国・地域の平均年収よりも、高い金額に学校側も同意してくれる可能性があります。

また、年収の高い大学や一般企業で雇ってもらえるチャンスも多くなるでしょう。

参考 JICA「待遇と諸制度(派遣期間:1ヶ月〜1年未満)」

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安定した給料を求めるなら国内で働くのがおすすめ

物価などの違いもあり、海外で日本語教師として働くと、どうしても年収が低くなってしまう傾向があるため、より安定した給料・十分な福利厚生を求めるのであれば、国内の日本語学校で働くのがおすすめです。

日本語教師は、2024年4月から国家資格(登録日本語教員)となったため、今後は平均年収が上がっていくと考えられています。

登録日本語教員の概要については、『【2024年施行】登録日本語教員とは?』で紹介しているので、ぜひご一読ください。

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まとめ

今回は、海外で働く日本語教師(常勤講師)の平均年収、海外の日本語教師の現状、年収をアップさせる方法について解説しました。

海外で日本語教師として働くのは、想像以上に厳しい環境を強いられることも多いですが、貴重な経験として今後のキャリアに活かすことができると思います。

しかしながら、日本語教師の国家資格化が始まって、今後は平均年収が上がることが予想されるため、安定した給料・福利厚生にこだわりたいという場合は、国内での就職を考える方がいいのかもしれません。

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