行知学園日本語教師養成講座

日本語教師の国家資格に関する情報を総まとめ!資格の取り方から制度の詳細まで解説

更新日:2025/03/28

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登録日本語教員の最新情報 

本ページでは、令和6年(2024年)4月に新設された「登録日本語教員」「公認日本語教師(令和4年(2022年)まで議論)」についてご紹介しています。
お伝えする内容は、文部科学省など公的機関の資料に基づいております。

最新の情報も、公的機関からの情報が公開され次第、随時追記や更新をしていく予定です。お見逃しのないように!

川口義一教授

監修者

早稲田大学 名誉教授/「言語・生活研究所」代表 川口 義一
現在は、「言語・生活研究所」の代表を務めながら、オンラインでの日本語教育を中心に精力的に活動を行っている。
主な経歴
・2018/4〜2019/3
 城西国際大学大学院 人文科学研究科 特任教授
・2002/4〜2014/3
 早稲田大学大学院 日本語教育研究科 専任教員
・1988/4〜2002/3
 早稲田大学 日本語研究教育センター 専任教員


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日本語教師

令和6年(2024年)4月から日本語教師は国家資格に

令和5年(2023年)5月26日、日本語教師の国家資格化に関する法案「日本語教育機関認定法」が成立し、令和6年(2024年)4月から施行されました。これにより日本語教師は国家資格「登録日本語教員」となりました。なお、現役の日本語教師には経過措置も設けられています。

登録日本語教員に関する詳細は「登録日本語教員とは?現役日本語教師も対象の制度概要を解説!」をご覧ください。

参考:NHK NEWS WEB(5月26日付)

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【日本語教師の国家資格】「登録日本語教員」とは?

日本語教師の国家資格です。
文部科学大臣に認定された「認定日本語教育機関」で働く場合は、登録日本語教員の資格が必須となります。

関連記事:認定日本語教育機関とは?制度の主な基準や今後について解説

【令和4年(2022年)まで議論】「公認日本語教師」とは?

「公認日本語教師」は、令和4年(2022年)5月まで創設の議論をされていた、日本語教師の国家資格の名称です。
日本語教師に求める基準を国が明確に定めていこうとするもので、日本語教師の「教員免許」のようなイメージです。

当初の国の資料では「日本語教育の専門家として求められる資質・能力を有する日本語教師の資格の名称は『公認日本語教師』とする。」と表記されていました。(『日本語教師の資格の在り方について(報告)』2020(令和2)年3月10日)

関連記事:【2024年施行】登録日本語教員とは?現役日本語教師も対象の制度概要を解説!

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これまでの日本語教師制度からの主な変更点

研修

変更点はいくつかありますが、ここでは資格の取得や維持に直結する部分をお伝えいたします。

民間資格から国家資格へ格上げ

日本語教師の資格は、民間資格から国家資格へと格上げされます。
メリットとしては、日本語教師の認知度が向上して世間からも注目を浴びやすくなります。
これにより、日本語教師の社会的意義や待遇の見直しの議論にも繋がりやすくなります。

民間資格から国家資格になったことの意義について、日本語教師ネットワーク機構代表理事の新城宏治さんは下記のように語っています。

新城さん

新城宏治さん

国が日本語教育に対して責務を負い、教育内容を保証するようになった、ということですから、非常にいいことだと思います。というのも、これまで日本語教育は、民間もしくはボランティアの組織が主導してきました。それが、日本語教育推進法に国や地方自治体に日本語教育を推進する責務があることが明記され、それに基づき日本語教育機関認定法で国が教育機関を認定し、新たに教員資格を創設したことは、日本語教育界の進化にとって大きな一歩です。
また、これまで法務省が管理してきた日本語教育の分野を、教育を司る省庁である文部科学省が所管することになったというのも、非常に大きな変更です。これは日本語学校のカリキュラムや日本語教師の資質や能力に関しても国がきちんと保証します、ということを意味します。

日本語教師ネットワーク機構代表理事・新城宏治さんのインタビュー全文はこちらから

資格取得要件の変更

日本語教師の資格の取得要件が一部変更されました。
日本語教師の民間資格取得に比べると、下記の点が変更になっています。

資格取得ルートに関する詳細は「国家資格「登録日本語教員」の資格取得ルート」をご覧ください。

日本語教員試験の詳細は「登録日本語教員の試験(日本語教員試験)とは?最新情報を総まとめ!」をご覧ください。

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国家資格「登録日本語教員」の資格取得ルート

1 養成機関ルート

養成機関ルートその1 養成機関ルート

養成機関ルートその2 養成機関ルート

【応用試験】
日本語教師養成機関や大学の日本語学科など、登録日本語教員養成機関で課程を修了した場合、基礎試験が免除され、応用試験が課されます。文部科学省が発表している応用試験の出題内容は下記の通りです。

試験時間 読解:100分
(休憩)
聴解:50分
出題数 読解:60問
聴解:50問
出題形式 選択式
配点 1問1点 (計110点)

参考:令和7年度日本語教員試験実施要項

【実践研修の履修】
応用試験の合格後、登録実践研修期間にて実践研修を履修することが義務付けられています。
国家資格になる前の日本語教師の資格取得には、実践研修は課されていませんでした。文化庁は「日本語教育を行うために必要な実践的な技術を習得するための研修である実践研修を修了する必要」があると述べており、より日本語教師の教育の質や専門性を高めていくために、導入される研修だといえるでしょう。
ただし、登録実践研修機関で日本語教員養成課程を修了した方は、養成課程と一体的に実践研修を実施するため、単体での履修は不要です。

2 経過措置ルートC(令和15年3月31日まで)

経過措置ルートC

「必須の教育内容50項目」に対応した日本語教員養成課程を修了することで、現職者でなくても経過措置ルートCを活用することができます。経過措置ルートCは実質応用試験だけで登録日本語教員を目指せるため、効率的に資格を取得したい方にはおすすめです。ただし、

・大卒者のみ
・令和15年(2033年)3月31日までの措置

となるため、注意しましょう。

「必須の教育内容50項目」対応機関に関しては、下記の関連記事をご確認ください。
関連記事:「必須の教育内容50項目に対応した日本語教員養成課程等」が公表されました!」

3 試験ルート

試験ルート

【基礎試験】
登録日本語教員養成機関の課程を修了せずに登録日本語教員を目指す場合は、まず基礎試験を受験する必要があります。文部科学省の資料によると、基礎試験の内容は下記の通りです。

試験時間 120分
出題数 100問
出題形式 選択式
配点 1問1点(計100点)

参考:令和7年度日本語教員試験実施要項

【応用試験】
応用試験は、基礎試験に合格した人のみが受験できます。内容は養成機関ルートと同じです。

【実践研修の履修】
応用試験の合格後、こちらも養成機関ルートと同様、実践研修を登録実践研修機関にて履修することが義務付けられています。

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日本語教師はいつから国家資格になった?

2024年(令和6年)4月から施行

2023年(令和5年)5月26日、「日本語教師資格の国家資格化」に関わる「日本語教育機関認定法」が国会で成立し、2024年(令和6年)4月から日本語教師は国家資格「登録日本語教員」になりました。

2029年(令和11年)までは、現職の日本語教師や日本語教育機関に対する経過措置期間となっています。

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日本語教員試験とは

教室

「登録日本語教員」になるための試験

「日本語教員試験」は、国家資格「登録日本語教員」になるために必要な試験です。 2つの筆記試験(基礎試験、応用試験)から成り、これらに合格すると、実践研修に進むことができます。

初回は、令和6年(2024年)11月17日(日)に実施されました。第2回目は、令和7年(2025年)11月2日(日)に行われる予定です。

日本語教員試験に関する詳細は下記の関連記事をご確認ください。
関連記事:登録日本語教員の試験(日本語教員試験)とは?最新情報を総まとめ!

第1回日本語教員試験の結果

第1回日本語教員試験の合格率は、全体で62.6%でした。ただしこちらには経過措置による全試験免除者も含まれています。

実際に受験した人のルート別合格率や受験人数などの詳細はこちらからご確認ください。

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日本語教師の国家資格がなくなる!?

文化庁の玄関

詳細がなかなか決まらず日本語教師の国家資格案はなくなるといわれていた

日本語教師の国家資格に関する議論は2018年から始まり、2020年には「日本語教師の資格の在り方について(報告)」に日本語教師の国家資格案がまとめられました。

その後、「日本語教師の資格に関する調査研究協力者会議」が設置され、国家資格化が本格的に進んでいくかと思われましたが、既存の教師要件を見直すことで対応可能ではないか、他の国家資格との整合性が取れないなど、さまざまな意見が出され、何度も修正案が話し合われました。

このように詳細がなかなか決まらなかったことから、日本語教師の国家資格案はなくなるとまでいわれていました。
実際に、資格名が現在の登録日本語教員に決定する前までは、「公認日本語教師」という名称がつけられていました。

日本語教師の国家資格は長い時間をかけて移行される

前述したように、日本語教師の国家資格「登録日本語教員」の取得には、経過措置が設けられており、これまでの旧制度から新制度(日本語教育機関認定法)へ長い時間をかけて移行されるようになっています。

具体的な期間は、6つある経過措置ルートのうち、ルートCのみ令和15年(2033年)3月31日まで、その他のルートは令和11年(2029年)3月31日までに設定されています。

登録日本語教員の経過措置に関する詳細は、「登録日本語教員の経過措置とは?」をご一読ください。

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日本語教師の国家資格化の背景

留学生

留学生や日本語学習者の増加

在留外国人の増加などにより、国内外で日本語学習や日本語教師の需要は高まっています。
特に国内では、外国人労働者の受け入れ体制が整備(2019年「出入国管理及び難民認定法」改正に伴う)され、日本語を学んで日本で働く外国人も増えています。

ちなみに、在留外国人の数は約358万人ですが、それに比べて国内の日本語教師等の数は約46,000人しかおらず、不足していることが分かっています。

参考:日本語教育実態調査令和5年度 報告国内の日本語教育の概要

日本語教師の質と量の確保が必要

在留外国人の増加に伴い、日本語教育において「日本語教師の質や量の確保」について議論されるようになりました。外国人が日本で安心して過ごせるようにするには、日本語を学ぶ環境を整えることが大切です。

日本語を学ぶ環境、すなわち日本語教育の環境を整えるためには、「必要な教師の数」や「教師の能力」も確保しなければなりません。そういった観点から見ると、日本語教師の民間資格の認定制度では、「日本語教育能力検定試験」・「日本語教師養成講座」・「大学で日本語教育専攻」のどのルートでも資格が得られ、足並みがそろっていませんでした。
ある程度の基準を設けて日本語教師の質と量を確保することが、日本語教育のために必要とされています。

全養協常任理事・事務局長新山忠和さんに聞く「日本語教師の国家資格化に期待すること」

一般社団法人全国日本語教師養成協議会 常任理事・事務局長である新山忠和さんに、「日本語教師の国家資格化に期待すること」をお聞きしました。

全国日本語教師養成協議会 常任理事・事務局長である新山忠和さん

新山忠和さん
日本語教師の仕事内容は、まだまだ認知度が低いという問題があります。
例えば、日本語を勉強する外国人は主に英語母語話者で、日本語教師は英語が流暢に話せるというイメージを持っている人が多いです。しかしながら実際には、日本語学習者の8割がアジア圏出身だという現状があり、日本国内の教育現場では、日本語を日本語で教える方法(直接法)が基本となっています。
このように、日本語教師が学校でどのように働いているのか、知らない人は意外と多いため、国家資格化を通して日本語教師の本来の役割や、教師としての価値が周知されることが期待されています。

全養協常任理事・事務局長新山忠和さんのインタビュー全文はこちらから

まとめ

専門家の声を参考に、有利なルートで日本語教師を目指そう!

現時点で日本語教師の資格を持っていない方は、「登録日本語教員」をどのルートでいつから目指すべきか、日本語教師養成講座を開講している専門機関などにいち早く相談し、最適な情報を入手することをおすすめいたします。

「養成機関ルート」「試験ルート」だけでなく 令和15年(2033年)までは、未経験者でも経過措置ルートCも活用することができます。

自分に有利な方法で学習を進め、「登録日本語教員」になる夢を叶えましょう!

国家資格「登録日本語教員」を目指す方へ
登録日本語教員養成機関のご紹介

現在公表されている登録日本語教員養成機関についてご紹介します。「養成機関ルート」から登録日本語教員を目指している方はぜひチェックしてみてください。

【登録日本語教員養成機関】

関連記事:登録日本語教員養成機関と登録実践研修機関とは?文化庁届出受理講座とは異なるの?

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経過措置ルートC対応機関(必須の50項目対応養成課程)のご紹介

現在公表されている「経過措置ルートC」対応機関(「必須の教育内容50項目に対応した日本語教員養成課程等」)についてご紹介します。「経過措置ルートC」に興味のある方はチェックしてみてください。

【必須の教育内容50項目対応機関】

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過去の議論内容

下記は、日本語教師の国家資格について、過去に議論されていた内容です。

学士以上の学位について

※2021年7月の有識者会議で「学士(大卒以上の学歴)は不要」との見解が示されました。

当初は、学歴要件について「学士以上の学位を有することを要件とする」と示されました。「学士以上の学位」とは、言い換えると「4年制大学卒業以上の学歴」です。

資格の更新が必要(過去に検討されていた変更点)

※2021年7月の有識者会議では「有効期限は設けない(更新は不要)」との見解が示されています。

当初は、「公認日本語教師」には有効期間が設けられるため、更新が必要との見方で議論が進められていました。(有効期間は10年間)
更新の方法については、定められた更新講習の受講・修了との提言がなされていました。

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監修者プロフィール

川口 義一  Yoshikazu Kawaguchi

川口義一

早稲田大学 名誉教授/「言語・生活研究所」代表
川口 義一

現在は、「言語・生活研究所」の代表を務めながら、オンラインでの日本語教育を中心に精力的に活動を行っている。 その傍らで海外派遣や書籍・論文の執筆にも携わり、著書は10冊以上(共著含む)、海外派遣歴は直近10年間で20件以上。

主な経歴

  • ・2018/4〜2019/3
     城西国際大学大学院 人文科学研究科 特任教授
  • ・2002/4〜2014/3
     早稲田大学大学院 日本語教育研究科 専任教員
  • ・1988/4〜2002/3
     早稲田大学 日本語研究教育センター 専任教員

代表著書

海外派遣歴

  • ・ケルン日本文化会館日本語教師オンライン研修会招待講師
  • ・EPA候補生・教師研修(ベトナム・ハノイ)招待講師
  • ほか多数

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