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この記事を書いたのは
Miku
日本語教師養成課程で資格を取得し、日本語の指導歴は7年目。
学生時代はイギリスへの交換留学の経験もあり、卒業後は日本語教師として働きながら、フランスでワーキングホリデー留学と語学留学を経験。
現在はマルタ島在住で主にフリーランスで活動する傍ら、「日本語教師ナビ」のライターを務める。
「日本語教育能力検定試験って、どのくらいの点数を取れば合格できるんだろう」
このように、日本語教育能力検定試験の合格点についての情報を集めている方に向けて、今回は、日本語教育能力検定試験の合格点と合格率の推移について、主に解説します。
結論をお伝えすると、日本語教育能力検定試験の合格点は、公表されていませんが、160点前後と推測されています。
また、合格率は年々上昇していて、2023年度は過去最高の31%となりました。
※2024年4月から日本語教師は国家資格「登録日本語教員」になります。「登録日本語教員」資格取得のための試験として「日本語教員試験」の実施が予定されており、2024年3月現在、日本語教育能力検定試験が今後どのような形で実施されていくかは未定です。
日本語教員試験の詳細は下記の関連記事をご覧ください。
関連記事:登録日本語教員の試験(日本語教員試験)とは?最新情報を総まとめ!
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日本語教育能力検定試験とは、公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)が1986年から実施している検定試験です。
現時点では、1年に1回、学歴に関係なく誰でも受験することができます。
日本語教育能力検定試験は、日本語教師に必要だとされる日本語教育についての基礎知識や能力が、どのくらいあるのかを測るものです。
検定試験は、試験Ⅰ〜Ⅲまでの3部構成となっており、以下5つの分野から出題されます。
こちらの記事『「日本語教育能力検定試験」とは?』で、日本語教育能力検定試験についての詳細を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
こちらでは、日本語教育能力検定試験の合格点について、ご説明します。
日本語教育能力検定試験の合格ラインとされる合格点は、公表されていません。
日本国際教育支援協会の公式WEBサイトにも、「合格点は公表していません。」(引用:日本国際教育支援協会「よくあるお問い合わせ FAQ」)と明記されています。
ただし、不合格の場合、総合点及び各試験の得点と、総合点が全受験者のどのあたりに位置するのかが8段階で表され、結果通知書に記載されます。
そのため、日本語教育関連の企業や個人が独自にデータを集めて、推定合格点として発表している現状があります。
日本語教育能力検定試験の合格点に関しては、さまざまな推定値が発表されていますが、160点前後とする意見が多く見受けられます。
2022(令和4)年度の合格点について調べてみても、158点や165点など、色々な意見がありますが、およそ160点あたりに集中しています。
日本国際教育支援協会が合格点を公表していないため、〇〇点だから合格・不合格とはいえないことが前提ですが、7割以上(168点以上/240点満点中)の点数を取れば、合格圏内に入ると考えられそうです。
日本語教育能力検定試験において、受験者同士で差がつく問題は、聴解試験と記述式試験だといえます。
検定試験は、基本的にマーク式で行われ、試験Ⅰは日本語教育に関する知識の問題、試験Ⅱは外国人の日本語の発音や指導に関する聴解問題、試験Ⅲは日本語教育現場での問題解決能力を測る問題が、記述問題とともに出題されます。
この中でも、試験Ⅱの聴解試験と試験Ⅲの記述式試験は、受験者の点数のばらつきの度合を示す「標準偏差」が高い傾向にあります。
こちらの表は、2023(令和5)年度の試験結果のデータから、各試験の標準偏差を高い順に並べたものです。
試験Ⅲ(記述式) | 18.3% |
試験Ⅱ | 15.5% |
試験Ⅲ(マーク式) | 11.6% |
試験Ⅰ | 11.5% |
※各試験で満点が異なるため、標準偏差は配点に対する百分率を採用しています。
参考元 日本国際教育支援協会「令和5年度 日本語教育能力検定試験 結果の概要」
以下では、日本語教育能力検定試験の合格率について解説します。
日本国際教育支援協会が、公式WEBサイトで公開している日本語教育能力検定試験の合格者数のデータをもとに、合格率を計算してみると、過去10年の合格率推移は以下のようになりました。
合格率は28〜30%で推移しており、年々上昇傾向にあることが分かります。
実施年度 | 全科目受験者(人) | 合格者(人) | 合格率 |
---|---|---|---|
令和5年度 | 8,211 | 2,542 | 31.0% |
令和4年度 | 7,054 | 2,182 | 30.9% |
令和3年度 | 8,269 | 2,465 | 29.8% |
令和2年度 | 9,033 | 2,613 | 28.9% |
令和元年度 | 9,380 | 2,659 | 28.3% |
平成30年度 | 6,841 | 1,937 | 28.3% |
平成29年度 | 5,767 | 1,463 | 25.3% |
前回2023(令和5)年度に実施された日本語教育能力検定試験の合格率は31%で、過去最高を記録しました。
Mikuさん:
こういった状況は、検定試験が簡単になったということではなく、日本語教師の需要が高まっていることから、日本全体で試験対策のしやすい環境が整ってきており、受験者のレベルが上がっているためと考えられています。
参考元 日本国際教育支援協会「応募者・全科目受験者・合格者数 推移」
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こちらでは、日本語教育能力検定試験の難易度について、お伝えします。
前項でご紹介した合格率の推移から、日本語教育能力検定試験の難易度は、「やや難しいレベル」といえます。
2023年度の合格率31%で考えると、およそ10人に3人が合格する試験となっており、超難関ではありませんが、簡単でもありません。
検定試験は、試験範囲が広い上に、深く理解していなければ解けない問題が出題されるので、事前に十分な試験対策をする必要があるでしょう。
日本語教育能力検定試験の難易度はやや難しいレベルですが、合格に向けてしっかりと勉強すれば、誰にでも合格はあり得るともいえます。
というのも、初回受験者は全体の60〜70%、初回及び2回目の受験者は全体の80%以上を占めているからです。
したがって、受験回数に関係なく、試験対策を十分に行えば、合格できる可能性は高まると考えられます。
参考元 日本国際教育支援協会「日本語教育能力検定試験 全科目受験者 受験回数別数 推移」
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以下では、日本語教育能力検定試験の合格点に、最短でたどり着きたい方へのアドバイスをお伝えします。
最短で合格を目指すのであれば、スクールで日本語教育能力検定試験の対策講座を受講することをおすすめします。
検定試験の幅広い試験範囲の中には、言語学や教授法などの専門的な科目も含まれています。
スクールの検定試験対策講座であれば、そのような専門分野に詳しいプロの講師が、出題傾向に沿って要点をまとめ、初心者でも理解しやすいように説明してくれるので、効率よく学習を進められます。
検定試験対策講座の学費相場は10万円前後ですが、通信講座だと5〜6万円で受講できるものもあります。
日本語教育能力検定試験の合格率は30%程度ですが、検定試験対策講座を実施しているスクールだと、合格率が80%以上の所もあります。
特に、大手のスクールでは、現役の日本語教師や学界の著名な講師を採用し、最新の出題傾向を取り入れた質の高い授業を提供しているため、講座修了生の合格率が高いです。
そういった合格実績の豊富なスクールでは、検定試験対策だけではなく、実際の日本語教育の現場に即した、指導ノウハウも学べるでしょう。
本番の試験前に、模擬試験で練習ができる点も魅力的です。
スクールに通わずに、自分で日本語教育能力検定試験の対策をすることも可能ですが、独学で合格を目指すには、計画性が必要になります。
その理由は、日本語教育能力検定試験は、1年に1回しか実施されていないためです。
したがって、試験対策期間で、具体的に何をどのくらい勉強するのか、月ごと・週ごと・日ごとに細かく決めて、実行していくことが重要です。
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最後に、日本語教育能力検定試験の受験で、気をつけるべきことを3つお伝えします。
日本語教育能力検定試験は、2022(令和4)年度に出題範囲が改訂されたので、注意してください。
この出題範囲の改訂で、従来の出題範囲に新しい項目を追加するなどの再編が行われましたが、出題内容が大幅に変更されたわけではありません。
試験構成や問題形式にも、特に変更はありません。
そのため、以前までの試験対策をベースにしながらも、新しい出題範囲に基づいた教材や講座を選択して、勉強を進めていく必要があります。
参考元 日本国際教育支援協会「日本語教育能力検定試験の出題範囲の移行について」
日本語教育能力検定試験の出題範囲は、全5分野・50項目ですが、全範囲が出題されるわけではありません。
前述した改訂後の出題範囲から、日本語教師に必要とされる基礎的な知識・能力に関する問題が、中心に出題されることとなっています。
したがって、過去問などで最近の出題傾向を把握し、重要ポイントを押さえながら試験対策をすることが大切です。
日本語教育能力検定試験は、2023(令和5)年度からオンライン出願へ変更されました。
郵送での出願は、原則認められないこととなったので、気をつけましょう。
検定試験の申し込みは、パソコン・スマートフォンからオンライン出願サイトへアクセスし、アカウントを作成して手続きを進めていきます。
基本的には、日本国際教育支援協会の公式WEBサイトにあるオンライン出願ガイドに従っていけば、手続きが完了しますが、念のため早めに出願準備を始めた方がいいでしょう。
2024年4月から日本語教師は国家資格「登録日本語教員」になり、日本語教育能力検定試験が今後どのような形で実施されるのかは未定です。これから日本語教師を目指すのであれば登録日本語教員になるための試験「日本語教員試験」の合格を目指すのがいいでしょう。
2024年度から実施される登録日本語教員の試験「日本語教員試験」の難易度はまだわかっていません。ただ、2023年12月に実施された試行試験では、下記の基準が設けられました。
基礎試験 | 必須の50項目で定められた5つの各区分で、約70%程度の得点かつ総合得点で約80%程度の得点 |
---|---|
応用試験 | 総合得点で約60%の得点 |
詳しくは下記の関連記事で詳しく解説しています。
関連記事:登録日本語教員の試験(日本語教員試験)とは?最新情報を総まとめ!
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今回は、日本語教育能力検定試験の合格点と、合格率の推移を主に解説しました。
日本語教育能力検定試験の合格率は30%前後で、やや難しいレベルの試験となっています。
今後日本語教育能力検定試験がどのような形で行われるのか、また、日本語教員試験の合格率や難易度は未定です。ただ、日本語教員試験は2024年11月17日(日)に実施される予定ですので、実施後、結果が出次第下記のページで詳しく解説いたします。
詳しくは下記の関連記事で詳しく解説しています。
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