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これから日本語教師を目指す人も、既に講座を受講するなどして動き出している人も必見の就職活動情報です。
「日本語教師の採用試験って何をするの?」
「面接ではどんなことを聞かれるの?」
など、日本語教師の就職活動で直面する疑問を、実際に日本語教師養成講座修了生の就職支援を行っている、KEC日本語学院の関先生に聞いてみました。
関大輔 先生 KEC日本語学院で日本語教師養成講座を受講後、関西の日本語学校で10年以上活躍。
その後、日本語教師養成講座の実践演習の講師としてKECの一員に。
現在はKEC日本語学院で所長を務める。
関先生:
大学で日本語教育に関する専攻または副専攻を履修しつつ、就職活動を進めます。
スケジュールとしては、一般的な就活生(大学生)と変わりありません。大学3年生で自己分析や業界分析、インターンシップを行い、4年生の春頃からエントリー及び選考、内々定といったスケジュールです。
また、通信制大学でも日本語教師の資格を取得できます。通信制大学の場合は、就活のスタート時期については個人差がありますので、就職サポートの担当者と相談して準備を開始しましょう。
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関先生:
まずは、どんな学校があるのかを知ることからですね。
日本語学校って全然違うんですよ。例えば留学生の国籍、学ぶ目的、教え方も違いますよね。目的というのも、進学目的なのか、会話クラスなのかで異なります。
ですから、まずは、どんな学校があるのか、そしてどんな学校が自分に合うのかというのを知るところから始めないといけません。
学校の雰囲気も大事ですよね。今までは日本語学校って見学したくても断られてしまうような、閉鎖的な感じが多かったかもしれませんが、ここ2〜3年で変わってきていて、逆に見学会を行う学校が多くなっています。
こういった機会に参加し、いくつか学校を見てみて「どこが合うのか」というのを直接感じることがとても大切です。
関先生:
就職ガイダンスをやっているところでは、応募する・しないにかかわらず、まずは見てみることが大切です。日本語学校の仕事についてもどんなことが仕事として任されるものなのかなど、知っておくことが大事です。
Webや紙面の情報だけで志望先を決めてしまっては、就職後にギャップが生じてしまう可能性があります。
コロナ禍ではありますが、学校を訪問することができたら、授業の雰囲気、職員室の雰囲気、担当者がどんな人なのか、などを見ておくといいでしょう。
担当者の方や先生は一緒に働くことになるので、「合わないな」「違うな」と感じることがあれば、長く一緒に働くのは難しいかもしれませんよね。
「知る」ということは、就職した後に「なんか違う」というのを減らすことにつながります。日本語学校の先生と直接話す機会はなかなかないですし、見学会にはたくさん足を運び、学校を知るというのがとにかく一番です。
今の時代なら、オンライン説明会もありますし、養成学校によっては就職ガイダンスで日本語学校の方が来てくれたりするわけですから、そういう機会に日本語学校の方と話してみてください。自分がやりたいと思う日本語教育とできるだけ近い教育を行っている学校で長く働ければいいですよね。
関先生:
提出する書類は、履歴書と学校によっては職務経歴書で、ほかの仕事を探すときと変わりはありません。ただし、ほかの一般的な就活と比べて大きく異なるのが、模擬授業がある点です。
模擬授業では、専任の先生方を2〜3人目の前にして、実際に15〜20分くらいの授業を行います。基本的に、前もって何の項目を授業するのかというのは応募者に伝えられます。
採用する日本語学校側は、応募してきた先生がどんな準備をしてきてどんな授業をやるのかというのをみます。模擬授業は一番難しいと言われる初級の教え方を指定されることが多いです。
最近増えてきているのが、模擬授業にプラスして教案を提出するパターン。教案をしっかり書くと、その人がどういう授業をするのかを知ることができるんです。養成講座では教案の書き方もきちんと学んでおくといいですよ。
最近は模擬授業をしない学校も少しずつ出てきています。というのも、研修して育てるという考えが学校側にあるからなのです。そういう学校は人柄を最も重要視しています。
求職者が働き口である日本語学校を見定めようとするのと同じように、採用する学校側も、長く一緒に働ける人を求めています。
ですから、共に働く仲間として人柄を重視しているのでしょう。現在は日本語教師が不足していますので、応募のハードルを下げようという狙いもあると思います。
私は養成講座を行う側なので、指導してきた模擬授業を是非見てもらいたいですけどね(笑)
関先生:
日本国内の日本語学校、告示校での話になりますが、面接で聞かれる定番の質問があります。
・なぜ日本語教師になろうと思ったのか。
・将来どういう風になっていきたいか。自分の将来像はどんなものなのか。
・なぜこの日本語学校なのか。
この3つですね。
2番目の「どういう風になりたいか」というのには2つの意味があるんですね。1つは将来的な働き方、そしてもう1つはどういう先生になりたいかという理想像。
働き方の場合、例えば未経験の方が最初の給料は低いからたくさんコマ数を持って稼ぎたい、と思っていたとしますよね。
そこで「週何日くらい働きたいですか?」という問いに、「週5日、バリバリ働きたいです!」と答えたら、採用する日本語学校の先生は「未経験で週5日なんて準備大変なのに。 わかってないな」と思うかもしれません。そうすると、授業を軽く見てると思われる可能性もありますよね。
例えば「最初は週に2日か3日で徐々に慣れていって、コマ数を増やし、ゆくゆくは専任でやっていきたいです」というような答えだと、採用学校側も「この人ちゃんと考えてるな」と思うでしょう。 つまり、将来設計があるのかということですね。
働き方に関しては、無理して「たくさん授業したいです」と答えるのではなく、正直にどうしたいかを伝えた方がいいです。
本当はパートタイムで家事と育児を両立して仕事したいと思ってるのであれば、例えば「家庭もありますので、週2日くらいで細く長く、しっかり続けていきたいです」というようにはっきり伝えた方が、 かえって「この人はちゃんと考えてるな」と好印象になると思います。
関連記事:日本語教師の給料事情と働き方
関先生:
理想の教師像というのは、「こういう先生になりたい」というビジョンがあるといいでしょう。例えば、学生さんとしっかり近い距離で親身な先生になりたいとか、授業は面白く楽しくできる先生になりたい、とかですね。これはどんなことでもいいと思います。
3番目の「なぜこの学校なのか」という質問はたまにありますが、知らないと答えられない難しい質問です。説明会などに参加していれば、こんな話のこんなところに共感をもちました、というようなことを答えられますよね。
関先生:
日本語学校は面接でどういうことを見ているかというと、一番は人柄です。前でも話しましたが、最近では模擬授業などを行わず、人柄をみて採用する学校もあるほどです。
養成講座を修了している人がほとんどなので、足りない部分は自社で研修を行って育てようという学校が増えてきています。人柄重視というのは、学校と合うか、教員とやっていけるかという点。
日本語教師だけに限って言えることではないと思いますが、「私のやり方はこう!」ではなくて「学びたいです、教えてください」という謙虚な姿勢があれば、活躍できる場所は年齢に関係なく本当にたくさんありますよ。
関先生:
特別なスキルは必要ありません。
というのも、日本語教師は、いままで身に付けたきた経験やスキルを活かせるところが必ずある仕事なんですよね。 例えば、ビジネス経験がある人は、実習生なんかにビジネスマナーを教えられるなど、いままで培ってきたことが活かせる職場があります。
関先生:
これは、よく聞かれる質問です(笑)。
個人的には、特にないと思うんです。例えば、集団の前で話すのが苦手な人であれば個人レッスンをする、ということもできますし、
日本語教師の活躍できる場所は多様化しているので、「こういう人が向いてる」というのはないんですよ。
それでもあえて答えるなら、いろんな意味で「鈍感な人」でしょうか。
文化もバックグラウンドも全然違う外国人学生がクラスに20人もいれば、日本人の感覚では予想外の行動をする人もいます。
例えば、まじめで毎日熱心に勉強している生徒が、先生が話しているときに思いっきり大あくびをすることもあります。しかしそれは、自分の国では注意されたことがないんですよ。だから、そういう悪気のないことをいちいち気にしてると、自分が疲れますよね。
何か約束をしても全然守らないとか、育ちも文化もみんな違うので日本人的な常識が通用しないこともあります。そういうことを細かく気にしないで、楽しんで受け流せるような寛容な人は日本語教師をしやすいと思いますよ。
いわゆる異文化を受け入れられるという人ですね。自分を押し付ける人っていうのは生徒からも受け入れられないですし。
「生徒の母国の文化を受け入れる」という意味では、生徒との関係性だけではなく先生同士の関係性においても重要なポイントだとは思います。 例えば、非常勤で働くときに専任の先生に言われた指示を素直に聞ける、というようなことですね。
今回の記事では、KEC日本語学院の関先生に、日本語教師の就職活動や面接・模擬授業のポイントについてインタビューにお答えいただきました。
KEC日本語学院の講座の資料は、下記のリンクより無料でお届いたいます。講座選びの参考に是非ご活用ください。
・就活を始める時期は、仕事を始めたい時期から逆算して2〜3ヶ月前。
・日本語教師はどんな仕事なのかを理解し、どんな学校があるのかを知る。
・学校を知るために、見学会やガイダンスなどに参加する。
・学校訪問ができたら、授業や職員室の雰囲気を見てみる。
・日本語教師の採用面接では、通常の面接に加え、模擬授業がある。
・模擬授業の課題は事前に知らされる。教案を提出する場合もある。
・面接では、「日本語教師の動機」「将来像」「なぜこの学校なのか」がよく聞かれる。
・面接では人柄を見られる。素直・謙虚な人が好ましい。
・働き方を聞かれたときは、正直に答えた方が良い。
IJEC(アイジェック、国際日本語研修協会)副代表大日方勝弘さんに、「日本語教師の就職事情と求められる力」について詳しくお話を聞きました。日本語教師として就職活動をしようと思っている方はぜひご覧ください!
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関先生:
修了直後にすぐ働き始めたいという方は、養成講座を修了する、だいたい2〜3ヶ月前から動き出しますね。
ですから、日本語教師のお仕事を始めたい時期から逆算して2〜3ヶ月前から始めるといいでしょう。
日本語教師養成機関は、社会人になってからの日本語教師養成と日本語学校への就職パイプを強みとしていることも多いので、受講前にパンフレットなどでサポート内容をチェックしておくと良いですよ。