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特定技能制度とは?日本語教師志望者が知っておくべきポイントを分かりやすく解説!

更新日:2024/06/05

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特定技能制度とは?日本語教師志望者が知っておくべきポイントを分かりやすく解説!
Mikuさん

この記事を書いたのは

Miku
日本語教師養成課程で資格を取得し、日本語の指導歴は7年目。
学生時代はイギリスへの交換留学の経験もあり、卒業後は日本語教師として働きながら、フランスでワーキングホリデー留学と語学留学を経験。
現在はマルタ島在住で主にフリーランスで活動する傍ら、「日本語教師ナビ」のライターを務める。


「特定技能外国人が最近増えているって聞くけど、どのような制度なんだろう」

近年、特定技能制度を利用する外国人が増加傾向にありますが、日本語教師を目指しているけど、具体的にどのような制度なのかよく分からないという方がいるかもしれません。

そのような方に向けて、今回は特定技能制度の概要や、日本語教師志望者が知っておくべきポイントについて簡単にまとめました。

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特定技能外国人とは?

特定技能制度を利用する外国人のこと

「特定技能外国人」とは、特定技能制度を利用する外国人のことを指します。

特定技能制度を利用する外国人には「特定技能」という在留資格が付与され、日本国内で特定の仕事に就くことが許可されます。

似たような制度に技能実習制度がありますが、これは特定技能制度とは全く異なるものです。

しかしながら、制度名が似ていることと、外国人が来日して仕事をするという点で共通していることから、2つの制度の違いが分からないという方は多く、特定技能実習生という誤った名称が広まっています。

公式には、特定技能制度を利用する外国人は「特定技能外国人」、技能実習制度を利用する外国人は「技能実習生」と呼ばれています。

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特定技能制度の概要

こちらでは、特定技能制度について簡単に説明します。

参考:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」

人手不足を補うために外国人労働者を受け入れる制度

特定技能制度とは、日本国内における労働力不足を解決するために設けられた制度です。

特に、国内の中小規模の会社では人手不足が深刻化しており、日本の経済や社会基盤への将来的な影響が懸念されています。

したがって、国内での人材確保に関するさまざまな取り組みを行っても、人手を確保することが難しい特定の産業分野に限って、専門性や優れたスキルを持つ外国人を即戦力として受け入れられるようになりました。

2019年4月からスタート

特定技能制度は、人手不足の深刻化に対する対応策の1つとして、平成31年(2019年)4月から開始された比較的新しい制度です。

一方で、前述した技能実習制度は、発展途上国に対する国際貢献の一環として平成22年(2010年)から開始され、外国人労働者を受け入れる手段の1つとして広く普及していました。

特定技能1号と2号がある

特定技能制度には、特定技能1号と2号の2種類があります。

特定技能1号は、特定産業分野に関する一定レベルの知識・経験を必要とする業務に就くことができ、特定技能2号は、特定産業分野に関する熟練した技能を必要とする業務に就くことが認められます。

令和6年(2024年)2月時点のデータでは、224,467人が特定技能1号での在留、48人が特定技能2号での在留と、ほとんどの外国人労働者が特定技能1号となっています。

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外国人にとっての特定技能制度・いい面

以下では、外国人労働者から見た特定技能制度のいい面について説明します。

参考:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」「永住許可に関するガイドライン」

技能実習制度よりも手続きがスムーズ

特定技能制度は技能実習制度と比較すると、外国人の受け入れ手続きが簡略化されており、スムーズに進めることができます。

特定技能制度受け入れの流れ

引用:「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」出入国在留管理庁

日本入国までの基本的な流れは、試験に合格して受け入れ企業と雇用契約を結び、ビザ(査証)を取得するのみと、とても分かりやすいです。

技能実習制度では、送出機関や監理団体、在外公館、外国人技能実習機構など、さまざまな機関を通さなければならず、手続きが少し複雑です。

技能実習生受け入れの流れ

引用:「外国人技能実習制度について」法務省 出入国在留管理、厚生労働省 人材開発統括官

永住権も取得可能に

技能実習制度とは異なり、特定技能制度では永住権の取得が可能になりました。

特定技能2号では、在留資格の更新の必要はあるものの在留期間の上限がないため、外国人労働者にとっては永住権取得のチャンスに繋がります。

10年以上継続して日本に在留していること、罰金刑や懲役刑を受けていないことなどの要件を満たす必要はありますが、日本での定住を考えている外国人にとって大きなメリットになることは間違いないでしょう。

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外国人にとっての特定技能制度・悪い面

一方で、外国人労働者にとって特定技能制度は以下のような悪い面もあります。

参考 出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」

技能実習制度よりも難易度が高い

特定技能制度は技能実習制度とは異なり、外国人は技能試験と日本語試験に合格しなければならないため、難易度が高くなります。

技能試験では、希望する特定産業分野の試験に合格する必要があります。

日本語試験は特定技能1号にのみ課される試験で、ある程度日常会話ができ生活に支障のない程度の日本語力があるかがチェックされます。

ただし、技能実習制度の2号を良好に修了した外国人は、一定の条件の下で試験の免除が受けられます。

費用がかかる

特定技能制度を利用する外国人には、申請手続きや渡航に関する費用など、さまざまな費用がかかります。

特定技能外国人の受け入れにかかる費用の大半は、受け入れ企業が負担しますが、特定技能制度では日本人と同等程度の給与が保証されているので、外国人に負担させることを可能としている費用もあります。

例えば、日本までの渡航費用や毎月の家賃などです。家賃に関しては、技能実習制度でも請求することはできますが、平均で月2万円程度となっています。

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特定技能と技能実習生の違い

それでは、特定技能と技能実習生の違いについて見てみましょう。

参考:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」「外国人技能実習制度について」法務省「特定技能制度に関するQ&A」

特定技能制度と技能実習制度は異なるもの

混同されがちな特定技能制度と技能実習制度ですが、2つの制度は目的が異なります。

前述したように、特定技能制度は国内で深刻化している労働力不足の解決が目的です。

一方で技能実習制度は、発展途上国を対象に国際貢献として実施しているもので、日本で技術を学び、母国の経済や社会の発展に役立ててもらうことを目的としています。

受け入れ分野の幅広さ

受け入れ分野に関しては、特定技能制度の1号では12分野(14職種)、2号では介護職を除く11分野、技能実習制度では90職種が認められています。

技能実習制度の方が従事できる業務の幅が限られているため、職種がより細かく設定されています。

具体的な対象分野・職種に関しては、下記の資料をご確認ください。

「特定技能ガイドブック」出入国在留管理庁
「外国人技能実習制度について」法務省 出入国在留管理庁、厚生労働省 人材開発統括官

技能実習制度から特定技能制度へ移行できる

特定技能制度は、技能実習制度からの移行が可能となっています。

技能実習制度には1号〜3号がありますが、そのうちの2号・3号に移行資格が与えられています。

具体的には、技能実習を2年10ヶ月以上行っていること、技能実習2号を修了した際に実施される技能検定3級に合格していることなどが条件となります。

また、技能実習制度から移行する場合、技能試験と日本語試験は免除されます。(職種が関連している場合に限る)

特定技能制度は転職可能

特定技能制度では、同じ職種または技能水準に共通性が確認できる業務であれば、転職が可能とされています。

技能実習制度では原則転職不可となっており、企業の倒産などのやむを得ない事情がある場合に限って、転籍という形での変更ができるようになっています。

ただし、前項で説明したように、技能実習制度から特定技能制度へ移行する場合は、転職が認められます。

受け入れ条件の厳しさ

特定技能制度では受け入れ人数に制限はなく、受け入れる企業が採用活動を行って直接採用することが可能です。(介護・建設分野は例外)

また特定技能2号では、一定の条件の下で家族帯同(配偶者及び子ども)が認められています。

その点技能実習制度は、技術を習得してもらうことが目的なので、企業が外国人労働者へしっかりと指導できるよう、受け入れ人数に制限があります。

在留できる期間が大きく異なる

特定技能制度において、1号では在留期間に通算5年までの上限がありますが、2号では在留期間に上限はありません。

技能実習制度には、1号で1年以内、2号で2年以内、3号で2年以内と、在留期間は最長で5年までと決められています。

そのため今後は、より長く日本に滞在する手段の1つとして、技能実習制度から特定技能制度への移行を考える外国人労働者が増加していくかもしれません。

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登録支援機関と監理団体の役割

特定技能制度には登録支援機関が、技能実習制度には監理団体という機関が、外国人受け入れに関する重要な役割を担っています。

登録支援機関は、受け入れ企業に代わって外国人労働者(特定技能1号のみ)に対する支援業務を行う機関です。企業は、支援業務のすべてもしくは一部を、委託することができます。

監理団体は、技能実習が適切に行われるように監理をする団体で、農業協同組合や公益財団法人などの営利を目的としない法人が認可されます。

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特定技能制度について日本語教師が抑えておくべきポイント

特定技能制度が利用する特定技能制度について、日本語教師が抑えておくべきポイントを以下にまとめます。

2023年5月より、特定技能2号の受け入れ分野が拡大されており、労働力不足解決に向けて国が主導で動いている様子が見受けられます。

そのため、今後さらに外国人労働者が増加することが予想されており、これから日本語教師として働く方には、上記のような特定技能制度のポイントを抑えた上で、適切なアドバイスをすることが求められていくはずです。

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【筆者体験談】特定技能外国人は身近なところに

2023年5月より、特定技能2号の受け入れ分野が拡大されており、労働力不足解決に向けて国が主導で動いている様子が見受けられます。

そのため、今後さらに外国人労働者が増加することが予想されており、これから日本語教師として働く方には、上記のような特定技能制度のポイントを抑えた上で、適切なアドバイスをすることが求められていくはずです。

4〜5年程前、北海道の田舎に住んでいる祖母の自宅近くに、ベトナムからやってきた特定技能実習生(おそらく建設関連)が何人か引っ越してきました。

少子高齢化の進む小さい田舎町なので、英語などの外国語を話せる住民はほぼ皆無。

祖母の話では、コミュニケーションがうまく取れず、外国人と住民との間に壁があるとのことでした。

日本語試験に合格している特定技能外国人は、基本的な日本語の知識はあるかと思いますが、実際の会話で使いこなして日本での生活を送ることは、外国人にとって高いハードルとなるはずです。

この話を聞いて、日本語を教えるのはもちろんのこと、特定技能制度について理解して悩みを聞いてあげたり、適切にアドバイスをしてあげたりと、日本語教師としてできることをしていかなければならないな、と感じました。

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まとめ

今回は、特定技能制度の概要、日本語教師が知っておくべきポイントについてまとめました。

2023年11月には、長年議論されてきた技能実習制度の廃止が決定されました。

今後は、特定技能制度への移行を促す新たな制度へと変更される予定です。

したがって、特定技能制度を利用する外国人労働者はますます増加していくはずですし、日本語教師が国家資格化された今、そのような外国人へ適切なアドバイスができる日本語教師に対する需要も高まっていくでしょう。

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